トリマーに成りたい、トリマーの資格を取得したいと思ったら、どのような手順、方法、費用がかかるのか詳しくご紹介させていただきます。
トリマーになるには?

トリマーになるには、トリミング技術を身に着けることが絶対条件です。トリマーは見ての通りの技術職ですから、犬猫の扱い方はもちろんのこと、ハサミやバリカンの使い方、シャンプーやドライヤーの仕方など様々な技術を身に着けなければなりません。
その上、来店する犬猫は必ずしも人懐こく、穏やかで、毛並みの整った状態ではありませんから、どのような犬猫であっても安全にスピーディーに対応しなければなりません。
トリミングサロンで華麗に仕事をこなしているトリマーのようになるには、根気強い修業期間があると思ってください。
トリマー資格はすべて民間認定資格
トリマー資格について調べると、様々な名称の資格が表示されるうえに、専門学校認定資格などもあり、いったいどの資格を取得すべきなのか?と迷ってしまうのも当然です。
実はトリマーの資格はすべて民間団体の認定資格です。
そのため
- 専門学校卒業
- 通信講座取得
- 民間団体の所属
- コンテストの受賞
- 有名トリマーへの弟子入り
など様々な方法でトリマー資格を取得することができます。最近では高校在学中にトリマー技術を学び、卒業と同時にトリマーとしての就職を目指す学校もあります。
つまりトリマーとして就職、開業を目指す上で、必須となる特定のトリミング資格はありません。
この点は人間の理美容師との大きな違いです。理美容師の資格は国家資格ですが、トリマーは民間団体認定資格の為、ある意味では資格を保有していない、専門学校を卒業していなくても独学で知識や技術の習得を終えれば就職、開業が可能ということです。
ただ、トリマーとして仕事をするということは、飼い主では到底扱うことのできない難易度の高い犬猫が相手になるということでもあります。
刃物を犬猫の至近距離で扱う職業だからこそ、独学での技術習得は簡単ではないことは知っておいてください。
専門学校入学が確実&最短な方法

トリマーになるために、最短で最も確実な方法は専門学校へ通学することです。専門学校ではハサミの持ち方から犬猫の扱い方、あらゆる犬種の特性や経営学についても幅広く学ぶことができます。
その上、トリマーは接客業であるからこその知識やマナーの習得や経験豊富な講師から実務について見聞きすることもとても大切なことです。
専門学校選びのポイントは
専門学校は全国各地にありますが、それぞれにカリキュラムが異なり、学校選びのポイントは
- 実習時間の多さ
- モデル犬の確保数
- 講師陣
- 学費
- 就職先
トリマーの技術を習得するためには、いかにたくさんの犬猫に触れるか、カットをする経験を積むかがポイントです。
そのためには、専門学校ごとにカットモデルとなる犬猫を手配します。この犬猫の手配は学校飼育犬や近隣の方から安価にカットを引き受けるという方法で賄います。ただ毎日生徒数に応じたカットモデルを手配することは決して簡単なことではありません。
そのため、学校によっては生徒数人で1頭を担当する、モデル犬の代わりにマネキン(ぬいぐるみ)でカットの練習をするという学校も珍しくありません。
入学先の学校を選ぶ時は、在学中にどれだけたくさんの時間、頭数の犬猫に触れ、カットをする機会を確保できるのかをしっかりと確認しましょう。
色々な通い方ができるトリミング専門学校
トリマーになりたいものの、専門学校の高額な学費を前に諦めてしまったり、通学時間の確保ができないことを理由に夢を先送りにしている方も多いでしょう。
実はトリマーは社会人経験者の転職も多く、専門学校のスタイルも多岐にわたります。
一例を挙げると
- 短期制(3~6か月で卒業可能)
- 夜間開講(夕方6時~夜9時までの開講時間)
- 週末開講(土日、祝日のみ通学)
- 単位制(通学スケジュールを各自で決めることができる)
- 通信講座と通学の併用(座学は自宅で、実技は月に数回の通学で受講)
このような専門学校への通学なら、仕事を続けながら、子育てと並行して学ぶことができます。諦めていたトリマーという夢を実現することもできるはずです。
気になる資格取得までの費用は?

トリミング専門学校の学費は200~300万円が相場です。この金額は全日制、2年間在学の専門学校の相場です。
このような専門学校では、在学中に文化祭、修学旅行、体育祭などのイベントがあり、制服や実習着などもお揃いのスタイルで統一されます。
学生生活を満喫しつつ、トリマー技術習得を目指せるという意味ではきっと充実した時間が過ごせるでしょう。もちろん同級生もみなペット好きですから、これまでの学生生活になかった満足感が得られるはずです。
でもこれほどの高額な費用を捻出するのは難しいと感じるのも当然です。そのような場合は、短期制や夜間などトリミング技術習得に限定したカリキュラムの専門学校がオススメです。
修学旅行や文化祭といったイベントがなく、私服での受講とする代わりに学費を半分以下に抑えることができます。もちろん全日制もその他の専門学校も学費の分割払いや奨学金制度が用意されているので、自分にあった方法で通学をすることができます。
トリマーの仕事内容と一日の流れ
トリマーの仕事は見ての通りペットのシャンプー、カットです。1日の仕事の流れは開店と同時に当日1頭目の予約客が来店し、順次シャンプー、カットに取り掛かります。
トイプードルの様に難易度の高いカットを要する犬種の場合、すべての作業を終えるには3~4時間もかかることも珍しくありません。
例えば開店と同時、朝10時に作業を開始したトイプードルのすべての工程が終わるのは、午後1,2時になります。昼休憩はこの後から始まります。トリマーの仕事は当日の予約状況によって多忙さが変わり、必ずしも毎日昼12時~定時で昼休憩が取れるというスタイルではありません。
もちろん実務経験を積み、手際よく作業ができるようになると、自分なりのスケジュール調整ができ、無理のない働き方ができるようになるのも技術職だからこそです。
想像以上の肉体労働!体力は必須
小さなテーブルの上で華麗に犬のお手入れをする姿に憧れトリマーを目指したものの、内容は想像以上の体力仕事という声が少なくありません。
小型犬であれば3~5㎏、中型犬であれば10~20㎏、大型犬であれば30㎏を超えることもあります。トリマーは浴槽の出し入れやテーブルへの移動、散歩時の誘導とすべての作業を1人で行います。犬猫を抱き上げるだけでも相当な体力仕事です。その上、仕事は立ち仕事ですから、決して華やかで癒される仕事ではないと覚悟して挑戦しましょう。
トリマーの休日事情
サービス業であるトリマーの休日事情は、原則的に平日に限られます。土日は予約希望の方が多い上に、大型連休や年末年始はペットホテルの予約も多く、休日を取得することは難しいのが実情です。
ただトリマー業界も主婦トリマーや子育て中のトリマーが増加傾向にあることから、短時間勤務や平日のみの出勤というスタイルでの勤務を可能とするトリミングサロンも増加しています。
就職にあたっては、プライベートとのバランスを考えながら、無理なく継続できる勤務先を探しましょう。
ママトリマー、自宅開業トリマーなど働き方は自分次第
技術職であり、自身の美的センスが求められる仕事だからこそ、トリマーとして仕事をしつつ、同僚や上司と折り合いをつけるのは早々簡単なことではありません。経験を積めば積むほどに自分なりのこだわりも増えてゆきます。
実はトリマーの仕事はたった1坪あれば十分に仕事ができると言われるほどに省スペースです。自宅の一部改装し自宅店舗でトリミングサロンを運営したり、軽乗用車を改装し出張型のトリミングカーという開業の方法もあります。
小型犬専門店というトリミングサロンもあったりと働き方は自由自在です。
家事や子育てと両立をしながら働きたい方、トリマーという仕事で今以上の収入を得たい方、海外コンテストに参加したい方などぜひ自分なりの目標を見つけてみてください。
男性トリマーはわずか10%未満
トリミング業界は徐々に男性トリマーの比率が増えつつあるものの、まだまだ男性は少数派です。ただカリスマと呼ばれる有名トリマーの多くは男性で、男性だからこその繊細さや根気強さを活かし活躍されている方も大勢います。
新卒未経験と呼ばれる期間は女性が大多数を占める職場環境に不自由を感じることもありますが、ぜひ大きな目標をもって、好きなことを仕事にし続けてください。
就職に困ることはありません!
トリミング業界は他サービス業同様に何年間も深刻な人材不足が続いています。この背景にはこれまでのトリミング業界の低賃金、長時間労働、各種保険未加入といった小規模個人経営者が多い業界だからこその問題点が多々あったためです。
しかし人材不足は店舗の閉店や事業計画をも左右する深刻な問題であるため、近年は徐々に様々な問題が解消されつつあります。
まだまだ好待遇とは言えない業界ではあるものの、実務経験を積むことで十分な収入を得ることはできるようになっています。
その上、大好きなペットにかかわり続けることのできるやりがいのある職業ですから、ぜひ前向きにトリマーという仕事を目指してください。
トリマーの求人は相当数あります
トリマーの求人数な年間を通じて常に相当数があります。ただ小規模な店舗が多いため、新卒定期採用は少なく、店舗に欠員が出次第の補充が一般的です。就職や転職は長期計画で取り組み、スキルアップを目指しましょう。
まとめ
多くの専門学校で定期的に学校説明会やオープンキャンパス、文化祭が開催されています。まずは気になる専門学校へ気軽に足を運び、トリマー体験や施設見学に参加してみてください。
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