犬が噛む理由とは?噛み癖の原因を理解して正しくしつける方法

犬が噛む理由の説明画像

犬は本能的に『噛む』動物ですが、噛むには何かしらの理由が存在しています

当ページでは犬が噛む理由を説明するともに、正しくしつける方法や、反対にNGの対処法・効果的なグッズなども紹介します。

犬を既に飼われている方はもちろん、これから飼おうとしている方もぜひ参考にしてください。

犬が人の手や足を噛む理由や原因は?

犬が人の手や足を噛んでしまうのには、どのような理由・原因があるのでしょうか。きちんと対処・しつけるためにも、まずは理由を確認していきましょう

理由①狩猟本能で噛んでしまう

狩猟本能で噛んでしまう

犬は「動くものは何でも獲物」と認識する、狩猟本能を持っています。人の手や足が動くと「獲物」と判断して、仕留めようとして噛むわけです。

“本能の赴くままに狩猟の練習”を行なっているとも言えます。

特に狩猟犬として用いられていた犬は、飼い犬として生きていても、噛む本能・傾向が強いとされています。

また、強く噛まれて思わず「痛い!」と言うと、その反応を楽しむ犬もいます。

理由②おもちゃやおやつの要求など欲求として噛む

おもちゃやおやつの要求など欲求として噛む

犬は人間のように話すことができません。そのため、自分の要求を“噛む”ことで表現します。

例えばお気に入りのおもちゃが欲しい/おやつが食べたい等‥、噛むことで飼い主さんへと訴えているわけです。

散歩に行きたい、もっと構って欲しい時なども噛む場合が多いです。

理由③遊びなどで興奮して加減ができずに噛んでしまう

遊びなどで興奮して加減ができずに噛んでしまう

遊んでいる最中に噛んでしまうのは、狩猟と同じく“本能的”なことです。

興奮すると周りが見えなかったり興奮しやすい犬に多く見られ、加減ができずに人の手をガブリと噛んでしまうことがあるようです。

決してわざとでは無いので対処が難しいところではありますが、毎回続くなどの場合は「歯が当たって痛い」ことをきちんと犬に伝えましょう。

理由④人間に不安や恐怖を感じたり危険から守るための攻撃行動として噛む

人間に不安や恐怖を感じたり危険から守るための攻撃行動として噛む

犬は、危険から自分の身を守るために噛むことがあります

人間から暴力を振るわれたり、厳しいしつけを受けていた経験がある犬は、人間が触ろうとすると不安や恐怖を感じるて噛んでしまうことがあります。

知らない人から急に触られるたり、しっぽを踏まれたりした時なども、本能的に噛みつく犬も多いです。仔犬の方が驚いて噛むことがあるので、覚えておいてください。

理由⑤ストレス・ケガ・病気・身体的疾患などから噛む

ストレス・ケガ・病気・身体的疾患などから噛む

縫うほど強く噛まれてたり、家族全員が噛まれている、飼い犬にもかかわらず触ろうとするだけで噛まれてしまう‥という場合は、ストレスやケガ、病気・身体的疾患などが原因のこともあります。

ケガや痛みなどがストレスとなり、そのストレスを噛むことで発散させる犬もいます。

また、異常な強さで噛んだり、しつけをしてもなかなか噛み癖が治らない‥といった場合は、脳の機能に異常が見つかることもあります。

例えば、次のような身体的疾患があると、強く噛むなどの行動が出てくることがあります。

  • てんかん
  • 犬の認知症
  • 神経や内分泌疾患

理由⑥噛んでもいいと思ってしまっている

噛んでもいいと思ってしまっている

犬が噛むことを悪いことと思っていない=噛んでもいいと認識している場合は、当然噛みます。

特に気を付けたいのが、手にはめるおもちゃで噛ませて遊んでいる場合です。犬は手にはめていたおもちゃがあっても無くても、手を見ると噛んでもいいと判断してしまいかねません。

手を使って遊ぶ場合は、長いおもちゃの端を持って引っ張り合いをすると良いです。犬の口から手が離れるほど噛まれませんし、手を噛んでいいとは判断しないからです。

理由⑦家族で噛む人と噛まない人を選ぶのは“信頼関係”が原因

家族で噛む人と噛まない人を選ぶのは“信頼関係”が原因

家族の中でも噛まれる人と噛まれない人が居る場合は、犬は噛む人を選んでいます。これは、『信頼関係』の差です。

家族の中で自分だけ噛まれるという人は、愛犬と信頼関係があるでしょうか。

犬にとって嫌なこと、例えばおもちゃを無理やり取り上げたり、ご飯の邪魔をしたりなど思い当たる節がありませんか。

人間にとって良いと思ったことでも犬にとっては不快であり、おもちゃでも食事でも「自分の分が取られてしまう!」と警戒して噛むのです。

このようなことばかりしていたら、犬はいくら飼い主であっても信頼しなくなります。

また、可愛がり過ぎて必要以上に触るなどした時も噛む傾向が多くなります。

犬にも人間と同じように、“パーソナルスペース”が存在しています。犬のパーソナルスペースを冒さないように気を付けましょう。

理由⑧自分の大切なものを守るために噛む

犬は、自分にとって大切なものを守るためにも噛みます。

お気に入りのおもちゃや居場所などが奪われようとする時、また飼い主を守ろうと他の人を噛もうとすることもあります。

飼い犬が子供を産んだ時など、仔犬を抱きかかえようとするだけで噛むことも多々あります。これは自分の子を守ろうとする母犬の本能です。

噛む時はこのような理由もあることを知っておいてください。

仔犬が噛む3つの理由:成長過程によくあること

仔犬が噛むのには、成犬が噛むのとはまた違った理由があります。

3つの理由を見ていきましょう。

歯が生え変わって痒く、違和感を覚えている

生まれてから3ヶ月くらい経った後から~7・8ヶ月の時期は、乳歯から永久歯に生え変わる頃で、痒さ・違和感を覚える時期です。

口の中なので前脚で掻くにも掻けないので、噛むことで痒さを解消しているのです

この時期に噛むことが増えてきたなと感じたら口の中を確認して、歯が生え変わっていれば無理に噛むのを止めさせないでくださいね

人間の赤ちゃんでもそうですが、歯が生え始めるときは歯茎がむず痒くて、何か噛みたくなるもので、子犬の甘噛みはこれが原因であることが多いです。

学べる動物病院ガイド メディペッツ

何にでも興味を持つ好奇心から来ている

何にでも興味を持つ好奇心から来ている

仔犬は目に入るものすべてが新鮮であり、あらゆるものに興味を示します。人間の赤ちゃんと同じと考えてください。

人の手や足はもちろん、動かない固定している家具や電気コードなど自分が噛むことができる物は何でも噛みます。

食べ物やおもちゃかも!と、噛むことで確かめているのです。

自分にとって好きな噛み心地だったり、噛んで安心するような物だったりすると、ずっと噛み続けることもあります。

しかしこの噛む行動も、3歳くらいからはだんだんと落ち着いてきます。3歳を過ぎても噛むのをなかなか止めない場合は、対策を講じましょう。

自分へと気を引きたいアピール

自分へと気を引きたいアピール

仔犬をゲージから出しているにもかかわらず相手をしてあげていないと、自分へと気を引くために噛みつきます。

スマホや違うことに気を取られて、ほったらかしにしていませんか?「相手して!構って!」と手や足・髪などまで噛んで、必死で気を引こうとします。

きちんと向き合って関心を向けてあげましょう。「飼い主の意識がこちらにある」と判断すれば、噛むことを止めます。

犬の噛み癖を直す効果的なしつけやトレーニング方法

犬の噛み癖を直すために、どのようなしつけやトレーニング方法が効果的なのでしょうか。

  • 1.行動をよく観察して、なぜ噛むのか原因と問題を理解する
  • 2.噛まれたら無視や静かに怒る
  • 3.噛むおもちゃでストレスをコントロールする

以上3つの方法を試してみてください。

行動をよく観察して、なぜ噛むのか原因や問題を理解する

「噛んではダメ!」と、ただやみくもに怒るのは止めましょう。前章で噛む理由について説明しましたが、犬が噛むのには何らかの理由があります。

間違った方法でしつけやトレーニングを行うと逆効果であり、理由に合った対策を行わないと意味がありません。

まずは、なぜ噛むのか?犬の行動をよく観察して、原因と問題を把握して理解することから始めてください。

観察しても原因・問題が分からないことは多々ありますが、もしかして‥と思うものを遠ざけるだけでも解決できる場合があるからです。

遠ざけてみて様子を見て噛まなくなればそれでOKですし、癖になる前に引き離すことも大切です。

噛まれたら無視や静かに怒る

噛まれたら無視することが効果的なのは、特に理由②要求噛みの場合です。噛まれないようにと犬の要求に応えてしまうと、噛み癖は直るどころかエスカレートしてしまいます。

要求噛みは、怒ったり相手をすること自体、推奨されていません。怒ることで犬の要求を満たすことになるため、逆効果です。

最初は無視することに心が痛むかもしれませんが、無視し続けることで、犬は「噛んでも要求が叶うわけでは無い」と学習して噛み癖が減るはずです。

その他が理由の場合は、怒鳴りつけるのでは無くて“静かに”怒りましょう。低めの声で冷静に怒る方が、犬にとっても「怒られている・ダメなこと」として理解しやすいからです。

噛むおもちゃでストレスをコントロールする

噛むおもちゃでストレスをコントロールする

理由と原因を把握した上で噛むことを止めるようにしつけ・トレーニングしたとしても、すべての噛み癖を止めさせてしまうのは良くありません。

噛むことは犬の本能であり、それを止めさせることは犬にとって思った以上のストレスがかかるからです。

噛んでも良い専用のおもちゃを用意して与え、犬のストレスを軽減・コントロールしてあげましょう。

留守番させておく時も噛む専用のおもちゃがあることで、家のあらゆる物を噛んで壊してしまう‥ということを少なくできる効果もあります。

血が出るほど噛む場合は動物病院やドッグトレーナーに相談する

血が出たりケガをするほどに噛む場合は、動物病院の獣医師やドッグトレーナーなどプロに相談することも一つの手です。

噛むだけで病院に行って良いの?と思う人もいるかもしれませんが、そこまで強く噛む場合は病気や身体的疾患が隠れている可能性も高いからです。

愛犬に噛まれることを恐れて、コミュニケーションが取れない場合も注意が必要です。

ネットで調べると対策がたくさん出てきますが、見よう見まねで対処すると今以上に事態が悪化してしまいかねません。

きちんとしつけるにはドッグトレーナーがおすすめ

きちんとしつけるにはドッグトレーナーがおすすめ

また、噛み癖を直し、きちんとしつけたい場合はドッグトレーナーに教えを乞うのもおすすめです。

ドッグトレーナーは犬だけでなく飼い主の対処の仕方も、第三者の立場で客観的に見て判断してくれます。犬では無く飼い主の対処が原因と指摘されたら、行動を改めましょう。

犬の噛み癖をしつけるのにおすすめのグッズ

犬の噛み癖のしつけに、おすすめのグッズを紹介していきます。

噛み癖を直す他にも、鍛えたり運動不足解消になる物など、噛む欲求を存分に満たすことができるグッズが勢揃いです。

愛犬の性格に合うものはどれかな?と、探す時間も楽しんでください。

『urban field 犬用ロープ』¥1,690

urban field 犬用ロープ
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urban field 犬用ロープは、犬と一緒に遊べるロープが3種類・留守番用に1人遊びで使えるロープが3種類の計6種類入りです。

すべて天然素材であるコットン100%でできており、硬すぎず柔らかすぎないので歯や体にも負担がかかりにくくなっています。

『GUZZY(ガジィー)』¥1,073

GAZZY
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GUZZY(ガジィー)は獣医師とトレーナーも推奨する知育トイの一つで、溝・中におやつを詰めることができます。噛み癖の他にも無駄吠えや留守番のトレーニングにも使われるおもちゃです。

小・中型犬用や中型犬用/噛む力の強い犬用など色々な種類が販売されています。

噛むおもちゃはネットで簡単に手に入る!

上記の2つの他にも、犬用の噛むおもちゃはネットで簡単に手に入ります。購入した人のレビューも確認できるので比較してみてください。

犬用噛むおもちゃの売れ筋ランキング(Amazon)
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他のおもちゃを見たい場合は、犬用噛むおもちゃの売れ筋ランキング(Amazon)などのランキングも参考にして、お探しください。

どのおもちゃが愛犬に合うか分からない場合は、複数買って1つずつ与えて気に入り具合を見ると良いでしょう。

犬の噛み癖を直すスプレーは効果がある?

犬の噛み癖を直すためのスプレーがあることをご存知でしょうか。

犬が苦手とする香りが付いているスプレーを散布することで、対象物から離れて噛まなくなることを目的としたものです。

すべての犬に効果があるとは断言しかねますが、噛まなくなった・噛み癖が直ったという口コミは一定数あります。

香りはある程度時間が経つと消えてしまいますが、繰り返して散布することで学習して、噛まなくなった犬もいるようです。

犬しつけ用スプレー・いたずら防止
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犬しつけ用スプレー・いたずら防止ランキングを参考に、試してみてはいかがでしょうか。

犬が噛んだり唸る時にこんな対処法はNG

最後に犬が噛む・唸る時にNGな対処法を、3つまとめました。

愛犬が噛む理由が、飼い主である自分にも原因は無いか、見つめ直すことも大切です。

大きな声で叱ったり叩いたりしていませんか?

噛んで唸った時に、ついつい叩いていないでしょうか。

犬はさらに興奮して対抗し、本能的に攻撃的になって噛んでしまいます。口を強く掴んだり体を押さえつけたりなども、もってのほかです。

犬は恐怖を覚え、強いストレスから、さらに噛み癖が悪化します。

愛犬と飼い主や家族との関係性が良くない:信頼関係は大丈夫?

愛犬と飼い主や家族との関係性が良くない:信頼関係は大丈夫?

愛犬と飼い主との間に、きちんと“信頼関係”があるでしょうか。

噛む理由⑦でもお話ししていますが、しつけやトレーニングを行うにも信頼関係が無ければ噛まれます。信頼されていないのでいくら注意しても言うことを聞かず、全く効果はありません。

信頼関係ができることで距離が縮まって、主従関係が構築されます。しつけやトレーニングをする前に、自分との信頼関係を今一度確かめましょう。

散歩でストレス予防できている?

散歩でストレス予防できている?

3つ目のNGな対処法は、散歩でストレス予防ができているかです。

散歩なら毎日行っているから大丈夫!と自信満々に言う人も多いと思いますが、ここでの散歩は、犬が求めるだけの散歩です。運動量が多く、1日2回もしくは3回ほど散歩に行く必要がある犬も存在します。

犬が求めるだけの十分な散歩をしてあげないとストレスが溜まり、噛むことで発散してしまう犬もいます。

暑さ寒さに関係無く、必要なだけ散歩に行って、できるだけストレスを発散させてください。

まとめ

犬が噛むのは本能的に備わっている能力で、完全に無くすことはできません。

しかし必要以上の強さで、おかまいなしにいろんな場面で噛むとなると、きちんと対処しなければ大変なことになります。

必要以上の噛み癖は飼い主の責任と理解し、家族全員が一致してトレーニングしていきましょう。

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